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アサヒビールは、福岡県久留米市で開催された「第30回アルコール医学生物学研究会学術集会」で、飲酒時に食事を摂取すると酔いにくくなるのは、胃の働きが大きく貢献しているとの研究成果を発表した。
photo by swardraws
「食べた方が酔いにくい」 アサヒ「胃の分解機能」研究:SANKEIBiz
飲酒をすると、アルコール成分は胃から20%、残り80%は小腸で吸収された後で血中に入り、肝臓で分解される。今回の発表は、同社の研究機関「食の基盤技術研究所」と日本医科大学との共同研究によるもので、同研究所では、アルコールが肝臓に到達する手前に胃で分解されると、血中のアルコール濃度が低くなり、酔いにくくなる点に着目した。
実験は、水だけを与えたラットと食事代わりのカロリー液を与えたラットを活用。アルコール液を口から注入した場合と、肝臓に直に注射した際の血中アルコール濃度を比較した。
その結果、アルコールを口から入れた場合、カロリー液を飲んだラットのほうが血中アルコール濃度が低かった。肝臓に注射したケースでは濃度に大きな差異はなかった。
また、アルコールを口から入れて30分後の胃の状態を、水だけしか与えないラットとカロリー液を吸収したラットで比較すると、カロリー液を摂取したラットの胃のアルコール残存量は水のみのラットの約5倍にのぼった。さらに、食事(カロリー液)の有無と胃のアルコールの分解効果を調べると、水だけと比べ、食事を摂取した胃のほうがアルコールの分解効果は6.5ポイント高くなった。
こうした結果から、飲酒時に食事をすると、アルコールが胃にとどまる時間が長くなって分解が進み、血中のアルコール量が減ることで酔いにくくなるという。
同研究所栄養生理解析部の大嶋俊二担当部長は「年末で飲酒の機会が増えるが、食事をきちんととってお酒を楽しんでほしい」と話す。同研究所は今後、胃の分解効果を高める食品や食べ合わせなどの研究を進め、機能性の食品や飲料など新商品の開発につなげたい考えだ。
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